大腿骨骨折から121日目  その2

先週尾道にて、レンタルしたミニベロは、プロンプトンというイギリスのブランドメーカーの自転車だと、レンタルを返却するときに教えてもらった。

そもそも、ロードバイクにしても、海外製品がほとんどなので、驚きはしなかったけど、どうやら、私が所有するロードバイクよりも遥かに高価な自転車であるらしい。

私のロードバイクは、スペシャライズド、アメリカカリフォルニア製。中でも、初心者女性向けに特化された、求めやすい価格設定にしてあった。

 

とはいえ、自転車の機材には、給料の多くを費やしていた。ロードバイクは、普通の自転車に比べると、高価です。なので価格をなるべく抑えるために、最初からブレーキ、ディレイラー、チェーンなどは、安価なものを標準装備している。

私は最初に気になったのが、ブレーキだった。

効きが悪いこと。すぐに、ブレーキを変えてもらった。激的に効いたので驚いた。

ホイールもそうだった。よく転がるようになった。

消耗品であるタイヤ、チェーン、チューブも定期的に変えてもらった。

 

オイルも、より浸透しやすくて、たれにくいものを準備。

さらにカスタマイズをするなら、いくらでも機材を用意できるのもロードバイクの面白さらしい。

私は選手でも、レースをするわけでもないので、ほどほどの、メンテナンスにとどめる。それにしても、それなりの費用や工賃が必要となる。

サイクルウェアにしても同じく。

海外ブランドのものは、驚くほど高価だ。私は、格安サイトや、メルカリを利用して、ウェアを買っていた。

メルカリも、未使用のものが多く、それでいて、市価の半額以下で買えるのがありがたい。

 

プロンプトン折りたたみ自転車をレンタルして、4日後に、別のお店で、2回目のレンタルをした。今度のミニベロは、海外で、切断した部品を、今治の工場で職人さんが、組み立て、溶接など一貫して完成させる、日本製のものだそうだ。

今度は、4時間レンタルをしてみた。

しまなみの最初の島、向島から、因島大橋まで上る坂もなんなく登る。

スピードこそ出ないけれど、ゆったりと、景色を眺めながら、幾度となく通った自転車道をひた走る。

因島のアメニティ公園にて、休憩。それ以上進むと、折り返しがきつくなると無理することになるので、長い休憩とトイレを済ませて、帰路につく。

 

今日は因島まで来ることができた。すれ違うサイクリングの人々に笑顔を向けて、挨拶したり、会釈したりして、走る。

ニコニコ顔の、2人連れのカップルの男性の方が、こんにちは~!と、大声で

挨拶してくれる。彼女さんとの、サイクリングが、楽しくて仕方ないといった様子に、微笑んで、挨拶を返す。

いっぱい楽しんでください!

 

余裕を持って、帰りの渡船で、尾道に渡ると、まだ1時間くらい時間があった。なので、商店街を走ったり、海沿いを走ったりしながら、そのうち、かなり汗ばんでいることに気が付く。久々のいい汗かけて良かった。

休憩をはさんだ4時間のライド。問題なく終えることができた。

多少の筋肉痛は、覚悟したとしても、この楽しさゆえであるなら、想定内です!

 

自転車にまた乗りたい気持ちを、兄に伝えてみた。

兄も、私がロードを始めた1年後くらいから、ロード乗りになった。

兄は、ねっからの機械屋。一流の機械職人といっても過言ではない。JFEホールディングスにて、工場内の機械全般の修理、メンテ、保全、などを長年職業として勤めてきた。

完全定年前になり、現場から、内勤となり、体がなまって、退屈すぎるなどと、贅沢な愚痴をこぼしていたけど、長年現場の機械屋として頑張ってきた兄からしたら、デスクワークや書類の業務は、退屈であったのは、本音だったのだろう。

 

兄は、私がまた自転車に乗りたいと遠慮がちに送信したラインに、ただちに

こう書いてよこした。

「そうくると思ってましたよ!無理せずやればいいと思うよ。あなたから自転車をとったら、あまりにも寂しすぎるよね!くれぐれも慎重にね。」

嬉しい返信だった。

反対されるかと正直思っていたから。レンタル走行の楽しさを、話した。

兄は、自分で、自転車の難解なメンテナンスや機材交換ができた。さすが機械屋さん。

自宅の自転車部屋には、いち・・に・・さん・・よん・・ご・・ろく・・?

はっきり数えたことがないけど、おそらく6~7台の自転車が保管されている。

カーボンバイク、アルミバイク、ミニベロ、人から譲り受けたものetc.

 

兄に、お願いしてみた。ミニベロの乗りやすさ、扱いやすさ、快適さがレンタルでよくわかったし、今後乗るなら、スピード重視でなく、安全で本当ののんびりサイクリングをするのが、私には合っていると思う。でも、新たに買うのは、安いものでないし、それこそ、メンテナンスにもお金がかかるから、良かったら、兄所有のミニの自転車をどれか貸してもらえませんか?と。

 

ええよええよ!と、即承諾。

かくして、兄の三男さんが学生の時に使っていた、自転車をメンテナンスして、タイヤも変えて、お買い物に使っていた自転車を借り受けることに。

スポーツバイクでなく純粋な、お買い物自転車、いわゆる街乗り自転車。

こころよく貸してくれた兄に感謝です。

そして同じロード乗りとして、私の気持ちに寄り添ってくれたことを心から感謝します。

このお買い物自転車、装備も満載です。フィジークのドリンクホルダー、ライト、尾灯、そしてお買い物かご、すべて兄があとづけしたもの。

 

もらい受けた翌日の早朝さっそく、涼しげな風の中、近所の海辺を走ってきました。

小さいながらも、なかなかの走りです。ただ・・・4か月も乗っていなかったのもあり、レンタル時も、今もお尻が痛いです。これは、おいおい慣れていくものと思われます。

いつかお気に入りの、ミニのスポーツバイクに出会うまで、しばらくはまだ、筋肉をつけるべく、ゆっくりと自主練でしょうか。

 

たか、あさちゃん、とも、なっちゃん、そしてみさ。

もう自転車は、乗らないと前に言っていた自分でしたが、それは、歩けなくなるくらいなら、やめたほうがいいと、思ったから。自転車に乗らなくても、死ぬわけじゃない、と思ったから。そうならないように、今までとは、違った乗り方に変えて、より慎重に趣味を楽しむことに決めました。自転車でなくても、他にいろんな趣味や、より安全なスポーツがあるでしょう。

こんなに自転車にこだわるのは・・・5年間、私をいろんな場所に連れて行ってくれ、メンタルを支え、辛さや、痛さも経験して、それでも乗り越える強さも覚え、綺麗な景色、美味しいもの、未知の場所を訪れるワクワクを与えてくれた自転車とともに走った

走行距離をとてもいとおしく思える。自己満足かもしれないけど、自転車とともに、今の自分があると思います。しんどい坂を登り切ったときの達成感や、ご褒美としての絶景、頂上で、食べるソフトクリームや、かわいた喉を潤す冷たいサイダーの美味しさは格別だ。

 

2階の一室に、保存されている私のロードバイク

今すぐでも、乗ってみたい。バイクとともに、訪れ知った、たくさんの思い出をこれからも増やしていきたい。

でも、今はまだ乗れない、実際跨ぐことができなくなっている。

良く乗ってたもんだ、とさえ思う・・・少しおばあさんになった気がする。実際おばあさんだけど・・・。